私、鷹野凌が日本独立作家同盟を設立しようと思ったきっかけは、小林恭子氏がマガジン航へ寄稿した「ロンドン・ブックフェア2013報告」を読んで感銘を受けたからです。
ロス氏は既存の出版社に頼らず、作家同士が助け合いながら本を世に出してゆくために「独立作家同盟」(Alliance of Independent Authors)を立ち上げた。自己出版についての情報交換、法務面でのアドバイス、作家同士の交流などを主な目的とする。
あ、そんな組織があるのか、と。
「同盟」の活動の中心は「書くことと出版の民主化」である、とウェブサイトに書いている。
自分の著作を作者自身が管理する――これが可能になるのが「自己出版」。さらに進んで、自分自身が出版社(者)となってしまったら、どうなのだろう?
この記事では明言されていませんが、自分自身が出版社(者)になれば「既存の出版社は要らないじゃないか」という発想になってくるのではないでしょうか。いわゆる「出版社中抜き論」です。ただ、そんな簡単な話ではないんですね。実際に自己出版をやってみると、それがどれだけ大変なことかが痛感できると思います。出版社が長年かけて培ってきたノウハウや、取次・書店という既存の流通網というのは、なんだかんだ言ってまだまだすごい。1人でやれることには、自ずと限界があります。
既存の出版社に頼らないのであれば、作家同士が助け合うしかありません。ところが、ひとくちに「作家」と言っても、有償/無償、フィクション/ノンフィクション、プロ/アマ/同人、文章/イラスト/写真/漫画など、非常に幅広い分野があります。また、例えば「パブー」や「小説家になろう!」や「KDP」など、プラットフォームもいろいろあります。でも、自己出版のための情報を網羅的に発信している場所や交流ができる場所って、ないと思うんです。私が知らないだけかもしれませんが。「じゃあ作っちゃおう」と思ったのがきっかけです。
この記事を書いている時点では、”同盟” と言いながら参加しているのは私1人です。つまり、これから同盟を作っていく段階です。