posted by 鷹野 凌
「月刊群雛 (GunSu) 2014年03月号」には、塩澤源太さんの新作「洞窟の坂」が掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? インタビューの一部を公開します。
この作品の内容を簡単に紹介して下さい
この作品は群雛に向けて執筆しました。祖母と母と暮らす女の子が主人公で、中学の卒業式から帰宅する途中に思い出を振り返っていくストーリーです。テーマは「早春」です。春を心待ちにしているけれど、踏み出すことに躊躇している、そんな微妙な気持ちを描いています。
一万字以内の短い作品ですが、私の著書「センチメンタル(短編集)」のエッセンスを凝縮したような内容です。もしこの作品を気に入っていただけたら、そちらも読んでみてください。
この作品を書いたきっかけを教えて下さい
もうすぐ春なので、桜をテーマにした作品を書きたいと思っていました。でも来月号で他の作家さんが取り上げられると思ったので、その一歩手前の季節にしてみようと思いました。また「早春賦」という唱歌(編注:一九一三年に発表された吉丸一昌作詞、中田章作曲の日本の唱歌)の歌詞を、いつか小説にしたいと思っていました。とても有名な歌なのですが、詞の内容を知る方は少ないように思います。春を待ち侘びるいじらしい内容で、私はとても気に入っています。
環境が変わることを恐れる主人公と、この歌を唄いながらじっと春を待つお婆ちゃんを比べていただくと、面白く読めると思います。
塩澤源太さんの新作が掲載されている「月刊群雛 (GunSu) 2014年03月号」は、好評発売中です。