「無名の個人作家が利用可能なプロモーション手段のざっくりまとめ」は、宣伝広告にお金をかけられないのであれば、時間をかけるしかない。日々の地道な積み重ねこそが大切、というところが主な趣旨の記事です。ところが、世の中にはまっとうではない手段というのも存在します。本稿は、そんな「やってはいけない」プロモーション手段についてまとめてみました。
TwitterのフォロワーやFacebookページの「いいね!」などをお金で買う
Twitterを始めてもなかなかフォロワーが増えないとか、Facebookページになかなか「いいね!」を貰えないといった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。世の中には、そういう悩みにつけ込む商売をする人々もいます。フォロワー1万人1500円とか、いいね!×1000を1500円とか。しかし、そうやってお金で買ったフォロワーにどんな意味があるでしょう? その人たちは、あなたの投稿を見てくれるわけではありません。単に数字が増えているだけで、せいぜい対外的にハッタリが効くようになる程度の話です。そして、フォロワーをお金で買ったということは、簡単にバレます。Twitterならフォロワー一覧が公開されていますし、偽フォロワー・あやしい急増フォロワーを見破る方法もあります。Facebookページの場合、「いいね!」をしたユーザーの居住地域情報で「あやしい」と判断されます。そういう行為がバレた時の、周囲からの評価減によるダメージの方が、対外的なハッタリ効果より大きいです。絶対にやめておきましょう。
匿名性の高さを悪用して自ら自分の作品の好評価レビューを書き込む
Amazonカスタマーレビューや、読書メーター、ブクログ、ダ・ヴィンチ電子ナビなど、個人作家の作品でもレビューを掲載できるサービスがあります。2ちゃんねるのような、多くの人が集まる匿名掲示板もあります。これらのサービスはニックネームや名無しで投稿できるので、名前を隠して善意の第三者を装い、自分の作品のレビューを書くことも物理的には可能です。が、絶対にやめておきましょう。自作自演は、わりとあっさりバレます。そして、自作自演がバレた時のダメージは、はかりしれません。つい先日発生した、2ちゃんねるの個人情報流出事件をご存知でしょうか。そこから派生して、プロの作家が誹謗中傷や自分を褒め称える書き込みをしていたのが発覚してしまいました。こういう炎上騒ぎが起きると、集団リンチのような状態になって叩き潰されます。同じ名前で再起することは、非常に難しいでしょう。炎上マーケティングをするつもりなら話は別ですが、よほど強靭な精神力を持っていないと無理でしょうね。
また、例えばAmazonカスタマーレビューのガイドラインには、以下のような禁止事項が明記されています。
著者、アーティスト、出版社、メーカー、出品者等の利害関係者による、関係商品を宣伝する営利目的での投稿や直接的な競合商品への投稿
禁止事項を破った場合、最悪アカウントを停止される可能性もあります。
無関係な掲示板やコミュニティなどに宣伝目的のコメントを書く
SNSにせよブログにせよ、「人を集める」のは大変です。ところが逆転の発想で「たくさん人が集まる場所に宣伝書き込みをすれば、たくさんの人が見てくれるに違いない」と考える人もいます。これも多くの場合、禁止されていたり、スパム扱いをされ削除されたり退去させられたり、嫌われたりバカにされるだけだったりしますので、やめておきましょう。もちろん、宣伝行為が許可されている場所なら問題ありません。しかし「宣伝行為が許可されている場所」というのは、往々にして宣伝行為ばかりになりますので、宣伝行為の山に埋もれて目立たなくなったり、そもそも一般ユーザーが集まらない場所になってしまったりします。
相手の立場で考えよう
行動する前に1回立ち止まって、自分が相手の立場だったらどう感じるかを考えてみましょう。自分がやられたら嫌だなと思うことは、やらないことです。