特定非営利活動法人=NPO法人の“NPO”とは、“Not for Profit Organization”のこと。すなわち、「営利のためではない組織」全般を指します。それに対し「NPO法人」は特定非営利活動促進法によって規定される団体です。株式会社と同様に法人格の一種で、NPO法人と名乗るには都道府県の認証と法務局への登記などが必要となります。当法人を所轄する自治体は東京都です。

 NPO法人も株式会社と同様に収益事業を行えますが、株式会社が収益を利害関係者(株主が最優先)で分配するのに対し、NPO法人の収益は事業の推進や発展のために再投資されます。つまり、儲けることを目的としていない組織形態がNPO法人です。

 国や地方自治体などの「公共団体」では、予算や人員の都合でどうしても手が回らない領域があります。社会貢献を掲げている「営利企業(株式会社)」も世の中にはたくさんありますが、どうしても利益が優先されます。両者のあいだからこぼれ落ちてしまう、緊急ではないけど重要で儲からない領域を、市民の活動によってカバーするのが、NPO法人の役割です。

 特定非営利活動促進法の定める「特定非営利活動」とは、不特定多数の利益増進に寄与することを目的とした20分野の活動で、HON.jpの活動領域は以下の4分野です。

  • 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  • 情報化社会の発展を図る活動
  • 社会教育の推進を図る活動
  • 経済活動の活性化を図る活動

制度上、NPO法人が禁止されている活動

 NPO法人は、特定非営利活動促進法第2条2項2号により、以下の活動が禁止されています。

  • 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とすること
  • 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とすること
  • 特定の公職(公職選挙法第3条の規定に依る)候補者(当該候補者になろうとする者を含む)若しくは公職にある者または政党を推薦し、支持し、またはこれらに反対することを目的とすること

 また、認定NPO法人は、同法第45条1項4号で「目的」にかかわらず「活動を行うこと」そのものが禁止されるという、より厳しい制度になっています。

 ただし、この禁止されている活動に「具体的な政策提言」等は含まれていません(内閣府NPO法Q&Aより)。